

何を基準に答えればいいのか非常に困ってしまいます。
選択の基準には
①イニシャルコスト(導入費用) ②ランニングコスト(維持費・燃費)
③快適性 ④環境負荷 ⑤安全性 ⑥寿命 ⑦メンテナンス
など、いろんな要素があり何を重要視するかで答えが変わってしまいます。
たとえば、以前TV(TBSがっちりアカデミー)で暖房器具(エアコン、電気カーペット、こたつ、石油ストーブ、オイルヒーター)はどれがお得か?という特集をしていました。
専門家の支持(尾間紫 一級建築士)はなんと電気カーペット。一ヶ月の使用料が一番安いとか言ってましたが、電気カーペットだけで部屋が暖まるのか?って。
唯一エアコンと答えたのが森永卓郎氏。
ヒートポンプは5倍~6倍のエネルギーを取り出せるのでだんぜん有利。ただ、「比較の前提があいまいで比較にならない。」とも
暖房器の選択は住む地域、使用時間、部屋の広さ、断熱性能、生活スタイルなどでも当然変わってきますのでこれが一番って断言は出来ませんね。
下記にそれぞれの特徴を記したいと思います。
エアコン
給油などの手間がかからず、スイッチONで簡単便利な暖冷房が出来て、普及率が高い商品です。


最近のエアコンは性能が高く、エネルギー効率が高く投入エネルギーの5~6倍と高性能なエアコンが販売されて省エネ効果が高くなっています。(COP、AFPなどの数値の大きいものほど高性能)
電気を使う暖房機の中では一番省エネな暖房機。夜間の安価な時間帯をうまく利用すれば光熱費の大幅削減も可能。(詳しくはお問い合わせ下さい)
エアコンだけでオールシーズン対応可能(冷房・除湿・加湿も可能な機種もある)なこともありがたいですね。


空気を暖めてから天井・壁・床が暖まるので室温(空気の温度)より周囲の温度が低くなります。
断熱性能によっては、天井と床面温度差が大きくなってしまいます。
また、急に部屋を温めたりする場合の風、音が気になる方も多いようです。寒い時期除霜運転時、暖房がストップします。
寒冷地では性能が下がる場合もあるので機種選択には注意が必要です。
蓄熱暖房機


輻射熱暖房ですので周囲の壁、天井、床面温度が室内空気より暖かく快適な室内となります。建物の性能・大きさに合わせた機種・台数設定での温熱環境に満足度は高い暖房器です。室内の空気が汚れない、エアコンのように風が気になりません。

電気ヒーターでの暖房ですので使用電力が膨大で、ドイツでは新たな設置を禁止している地域もあるようです。機種選定、設置台数によっては夜までに熱が不足してしまうこともあります。また、電気代が割引になっても電気代が高くて、石油ストーブに切り替えた話もあります。断熱性能の低い家での使用は難しいかもしれません。65℃の表面温度で付近の板、床フローリングの狂いが大きく反りや隙間が目立つこともあります。設置場所が外壁に面していたりすると外部への熱還流が大きく熱ロスが大きくなりますので注意が必要。(壁面の内外温度差が大きくなるため)
寝室にはファンレスタイプでないと寝付く時間にファンの音がうるさく感じることもあります。
床暖房

私はある程度断熱性能が高い家で暮らしています。室温20℃で体は十分快適ですが、足元が物足りません。長時間でも足が冷えない床面温度は24℃~26℃ぐらいと実生活で感じています。

床面温度が暖かく足が冷えず、快適な空間で満足度が高い暖房です。設置面積によって床暖房だけで家全体を暖めることも可能になります。室内の空気が汚れません。

電気ヒーターなどの床暖房の場合は、布団の上で赤ちゃんを寝かせた場合、長時間での低温火傷の可能性がありますので注意が必要です。
床暖房だけで暖房をまかなう場合の熱容量計算が難しいです。(設置面積と放熱量の関係)
無垢材のフローリングに床暖房を設置する場合は素材を吟味する必要があります。
温度を上げすぎて、床材の反り、隙間などが問題になることにも注意してください。
ファンヒーター



FF式ファンヒーター


燃焼させたガスを熱交換しクリーンな温風を室内に放出します。排気ガスは排気管から屋外に排出されます。

壁に穴を開け排気管を接続するため移動は困難。不使用時も室内に設置し続けるのは蓄熱暖房器と同様です。
薪ストーブ


薪ストーブは環境にやさしい暖房器として認知されています。
輻射熱で部屋全体が暖まり快適な暖房が楽しめます。
炎の揺らぎに癒され、家族が集まりやすい暖房器です。

安価な薪の調達が難しい場合があります。一般購入ですと薪代が負担となり使用放棄される例も多数あります。
設置には火災予防のための措置や(レンガ積み)煙突を二重管にするなど、費用が100万円近くかかる場合もあります。(数万円の安価なものもあります)
使用していないと熱をつたえるだけの筒となってしまいます。
また、気密性能が高い部屋では(給気口を設置しない場合)酸素濃度が下がる危険性もあります。
その他暖房
太陽熱利用暖房のソーラーウォール、そよ風、地熱利用など自然エネルギー利用の暖房機もあります。こちらを参照下さい。


屋外用としては細霧冷房という細冷ミストを噴霧するものもあるようです・
我が家では雨水を地下タンクに溜床下コンクリートに循環させていますが、井水ほど温度が低くならず効果が実感できていません。井水を循環させれば冷房効果が高まりますが、結露の問題が発生するため実用化されていません。

地中熱とヒートポンプの技術を合わせた冷暖房も開発されています。
費用が高額なため住宅向には普及しないかもしれませんがエコ優先という選択肢であればお奨めです。


